スポーツ整形(外来)

スポーツ整形外科とは

スポーツ整形外科とは スポーツ整形外科とは、競技中に起こる障害や外傷を診察する専門科です。数多くのスポーツ障害や外傷の予防・診断・治療に対応しており、スポーツ選手をはじめとして日頃からスポーツを行う方を支援します。
スポーツで起こるケガや障害・症状は、日常生活で生じるものとは違い、スポーツの種目によっても起こりやすいケガ・障害・症状が変わってきます。
当院では、このようなスポーツ特有のケガにフォーカスした治療を行っており、ケガの原因、再発防止策などを考慮して治療します。
「直近に行われる試合に間に合わせたい」「早く練習を再開したい」といった患者様一人ひとりのご要望に可能な限り沿えるよう、理学療法としてリハビリテーションも実施しています。

スポーツ障害の症状を
放置してはいけない理由

スポーツ障害の症状を放置してはいけない理由 成長期のスポーツ障害では、体に過度な負担が繰り返しかかることによって起こるスポーツ障害(無理な動作の繰り返し・使いすぎ)と、衝突や転倒など、瞬間的な外力によって起こるスポーツ外傷(捻挫・脱臼・骨折など)があります。成長期の骨は大人と違い、骨の両端に伸びる部分(成長軟骨)があり、骨の最長が筋肉の伸びを上回る状態が起こるため、同じ動作の繰り返しによって痛みが出たり、変形を起こしたりしやすい状態にあります。初期の訴えは軽い場合が多いですが、スポーツ障害は早期に対処しないと重症化して、関節が変形したり骨が分離したまま成長したりと日常生活に支障をきたすことがあります。

当院のスポーツ整形外科の特徴

院長は「日本整形外科学会認定スポーツ医」

院長は「日本整形外科学会認定スポーツ医」 当院の院長は「日本整形外科学会認定スポーツ医」です。成長期にはじまり社会人・中高年・プロスポーツ選手の障害に対し、ケガをしたすぐ後から競技を再開するまでサポートします。成長期におけるスポーツ障害では、将来的に後遺症が残る場合を除き、セルフケアによって運動を可能な限り継続できるように指導いたします。

「日本スポーツ協会公認スポーツドクター」の
院長が診療を担当

「日本スポーツ協会公認スポーツドクター」の院長が診療を担当 ジュビロ磐田のチームドクターとして、二十数年にわたってチームを医療面でサポートしてきました。本年もホームの試合を中心に選手たちをサポートします。
このようなプロスポーツ選手のケガの治療・競技復帰までのケアに携わってきた経験は、部活動をはじめとした競技スポーツをしている方々や、運動を趣味で行う全年代の方々のお力になれると考えております。

あらゆるスポーツ種目、各レベル、年代に合わせた治療のご提案

あらゆるスポーツ種目、各レベル、年代に合わせた治療のご提案 幅広い世代のスポーツ整形診察を行ってきた熟練の院長により、年齢やレベルなどを考慮して各患者様に応じた治療のプランニングを提供いたします。

スポーツ整形外科で
診療する症状

スポーツによって発生しやすい症状には様々な原因があります。原因を特定し、患者様それぞれの症状に合わせて治療いたします。

下記のような
症状がある方は、
当院にご相談ください

  • 運動したり走ったりした後にすねが痛い
  • 運動中に足を捻ってしまった
  • 走った後、脚に力をかけると痛い
  • ランニング後に膝が痛い
  • バットやラケットを振った時に肘が痛い
  • ボールを投げた時に肘が痛い
  • 運動後や運動中に骨に響く痛みがある

スポーツ整形外科で
対応する種目別の疾患

サッカー

主に足を使って行うサッカーにおいて、ケガが発生しやすいのは足首、膝関節、すね、太ももといった部位です。また、競技中に接触も起こりやすいため、肉離れや打撲、捻挫といった外傷も発生しやすいです。

  • 肉離れ
  • 足関節捻挫
  • 膝内側側腹靭帯損傷
  • 膝前十字靭帯損傷

など

野球

野球においては、投球動作を繰り返すことによって痛めてしまうため、肘・肩の故障が特に多くなっています。

  • 疲労骨折
  • 肩関節脱臼
  • 野球肩
  • 野球肘(離断性骨軟骨炎・内側側副靭帯損傷)

など

テニス

テニスではテニス肘が起こりやすく、別名「フォアハンドテニス肘」、「バックハンドテニス肘」と言います。

  • テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
  • テニス肩
  • テニスレッグ(腓腹筋肉離れ)
  • テニス足(肉離れ)

など

ゴルフ

スイングを何度もすることによって、肘の内外・外側が痛むゴルフ肘が発生することがあります。
左右非対称の動作を行うので、スポーツの中でも故障が起きやすいです。

  • 腰痛
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • ゴルフ肩
  • ゴルフ肘

など

バスケットボール

ジャンプやダッシュの反復動作で腰や膝に負担がかかるため、数多くの障害の原因となります。

  • 腰痛
  • 膝半月板損傷
  • 膝前十字靭帯損傷
  • ジャンパー膝

など

バレーボール

ボールを指先でコントロールするスポーツなので、突き指が発生しやすいです。また、ジャンプをする回数も多いので膝や腰も故障しやすいです。

  • 突き指・指の脱臼
  • 腰痛
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • ジャンパー膝

など

水泳

水泳は身体への負担が比較的かかりにくく、ケガをしにくい競技です。しかし、膝や肩の使いすぎで以下のような故障に繋がる可能性があります。

  • 腰痛
  • 平泳ぎ膝
  • 水泳肩
  • 腰椎分離症

など

陸上・ランニング

足や膝が衝撃したり、疲労が蓄積したりすることで故障に繋がりますが、中でも発生しやすいのはシンスプリントやランナー膝と呼ばれる症状です。

  • シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
  • ランナー膝
  • アキレス腱炎
  • 肉離れ
  • 足底筋膜炎
  • 前十字靭帯断裂損傷

など

よくあるご質問

成長期のスポーツ障害で「休め」といわれましたが、休まなければダメでしょうか?

「2〜3ヶ月休んでいるが、ちっともよくならない」と来院される方が多いです。スポーツ障害には,これ以上進行すると元に戻らなくなる「不可逆性」の障害と、適切な休養と手入れで元に戻る「可逆性」の障害があります。運動を続けたいならば、年齢と障害の程度にもよりますが、完全に休まずに、手入れをしながら運動量を落として続けてもよいのではないでしょうか。ただし、障害を残さないようにスポーツドクターや指導者の正しい指導を受けることが必要です。「休め」といわれたら、まず、障害名を確認し、「何日間休むとどのように改善し、いつごろ復帰できるのか」を確認し、休んでいる間にやってもよいトレーニングの指導を受けてください。「とりあえず休んでみようか」が一番無駄です。

「成長痛」と診断され、「運動禁止」の指示を受けましたが、運動してはいけないのでしょうか?

「成長痛」とは何でしょうか。その代表格が、膝のオスグッド病と足の外脛骨障害です。軟い成長中の骨・軟骨を筋・腱が引っ張り過ぎて、その付着部に痛みが生じることです。寝ている間に筋肉と骨はどちらのほうが早く成長するでしょうか?軟い筋肉より、硬い骨のほうが先に伸びます!その逆だと、一時的にせよ筋肉がたるんでしまいます。さて、それでは、「成長痛」と言われたら運動をしてはいけないのでしょうか。例えば膝の痛みは成長の度合いによって痛む部位が移動します。一方では、成長が止まるのは、女子は高校1年の夏頃、男子は高校1年の冬頃です。成長が止まるまで運動を控えていると、心身の発達に悪影響が生じます。従って、適切な除痛や予防の手入れをしながら、「痛い時期には多少控えめに」運動を続けてもよいと思われます。

「野球肘」と言われたら、もう野球は続けられませんか?

痛くなりすぐに受診する「内側型」。殆どがピッチャーですが、投球数の制限が必要です。高校生以降でスナップを効かせて投げると起こる「後方型」。これは殆どがキャッチャーです。
あらゆる年齢で投げ過ぎによって起こる「外側型」(上腕骨小頭離断性骨軟骨炎)。外側型は「痛い」と受診する時には軟骨や骨が破壊され、肘の動きも悪くなるので早期発見が大切です。(これも殆どはピッチャーかキャッチャー、又はその両方の経験者です)
プロ野球投手78人のレントゲン検査では、当然ながら殆どの選手は肘の全周に変形症を持っていますが、この外側に変形症を持った選手は皆無です。逆に言うと、外側型の野球肘の治療が手遅れになると肘の変形は必発で、選手は、高校・大学以上では野球の継続が難しいということです。
投げ過ぎで起こる野球肘ですが、中にはあまり投球数が多くないのに発症する方がいます。やはり、体質的に肘が弱いのでしょう。そんな方でも高校に入って骨がしっかりするまで、バッテリーを避けて、ポジションチェンジすれば楽しく野球は続けられます。
WBCでも投手の投球数の制限が採用されました。甲子園では数年前から肘の可動域制限のある投手は登板できなくなりました。エースの連投が美談化される時代は終わりました。米国でも成長期の投げ過ぎに対して、医学会が警鐘を鳴らし続けてきました。
しかし、現場では聞く耳を持ちませんでした。保険会社が「投げ過ぎで故障した場合は保険金を払わない」と云えばすぐに世界大会で「投球数制限」が実現しました。障害なく一生スポーツを楽しめることが、スポーツ医学の目的です。「無事これ名馬」です。

「脊椎分離症」と診断され、「運動をしばらく中止するよう」にいわれました。運動をやってはいけないでしょうか?

腰椎は前方に直径5〜6cmの楕円形・筒状の椎体(骨)とその間にある大きな貝柱状の軟骨(椎間板)と、後方に大事な脊髄を入れる環状の椎弓があります。この後方腰素に軸圧の25%が掛かります。その椎弓を連結している部分に疲労骨折が起こるのが腰椎分離症です。すなわち、丈夫な椎体を後方から華奢な椎弓が連結した形になっています。その連結部分の骨は、成長期では殆どが軟骨なので細い骨は折れてしまいます。疲労骨折が起こり2〜3ヶ月が一番腰痛が強く、完全に折れてしまえばその部分はあまり痛くありません。従って、早期に(小林分類1度)発見して、3ヶ月間しっかり固定すれば76%は直りますが、2度、3度になって完全に離れると、安静や固定をしても骨は治りません。そこで、レントゲンで患者様にもわかるぐらいに離れてしまうと、運動を中止しても仕方がないわけです。
高校生になり椎間板の強度が増すと、腰椎分離症の発生は殆どなくなります。と同時に、例えレ線上の分離症があっても椎体の安定性があり、腰痛の原因にはなりません。特に、20歳過ぎた成人になり、レ線上の分離症を認めても、「骨そのものが痛むことは殆どなく」、筋筋膜性の腰痛又は椎間板ヘルニアの合併による痛みと考えたほうがいいでしょう。当院では、成長期の患者様が立位で腰椎伸展時の腰痛を訴えた場合、ベッド上で復臥位になって頂き、右脚・左脚・両脚・上半身を伸展(そらす)した時に腰痛を訴えたケースで、レ線上分離症(患者様が見てもわからないような程度ですが)を疑った場合、CTあるいはMRI検査をして早期発見に努めています。やや進行した分離症でも、強固な固定をすれば確率は低いですが治る症例もあります。